origami PRODUCTIONSに所属し、再始動したOvallの活動だけでなく、様々なアーティストのプロデュースやサポート、トラックメーカーとして活躍中のプロデューサー/ベーシストのShingo Suzukiさんですが、KLOTZケーブルをご使用いただいています。今回KLOTZケーブルの魅力についてインタビューしました。
ティアック:KLOTZケーブルを使ってみた感想をお聞かせください。
Shingo Suzuki:ケーブルを選ぶときに気にすることは、一番は事故がないことですよね。断線がないとか、タフであること。いろんな現場で使うものですし、たとえば真夏のフェスのステージはものすごく暑くなるし、また人の入れ替わりが激しいのでときには踏まれたりとか。そういう過酷な環境に耐えられるっていうことが大事です。音色的には、みんな「変わったのが分かるよ」って言うけど、正直そこまで劇的には分かんないと思うんですよ。よっぽど耳が良い人だと違いが分かるかもしれないですけど、ケーブルの業界って高い水準を求められて当たり前だし。だから、高い水準が当たり前になっている中で、これを使ってみると、FunkMasterもTITANIUMも何の不満もないので「あ、いいね」「じゃあ使おう」という気持ちにさせてくれますね。自分としては、たぶんFunkMasterの方がライブ向きというか、低音が安定している気がして、ベース用に使っています。また、ライブではベースの他にシンセに使うことがあるんですが、TITANIUMはシンセサイザー・ベースに使ってるんですよ。TITANIUMはフラットな特性のようなので、シンセでは余計な低音を膨らませずに素直に出したかったので。ホントに2つともすごく活躍してくれて、今まで事故1つ起こしたことありません。 内部を見ると、皮膜でしっかり処理されているんですよ。こういう細かい良い仕事をしているから安心感を持てますし、また金メッキがされているのが良いですよね。もちろん金メッキだからといって事故がないわけではありませんが、今までそういったことは全くないです。また、この柔らかさがちょうど良いですね。 長めのケーブルも使っているんですが、信号の劣化がないです。それは、足下からケーブルを引っ張っていったときに取り回しがしやすくて、ちょっと離れているアンプでも使えるということなんですね。
ティアック:うれしいです。ありがとうございます。ドイツで手作業で作っています。
Shingo Suzuki:なるほど。だから、つなぎ目もしっかりしているんですね。だいたいつなぎ目がすぐ弱っちゃったりするんですけど、それがKLOTZにはない。ドイツ…GmbHって書いてあるだけで安心感がありますよね(笑)。それにこれ、T.M.スティーヴンスの監修なので、安心感がありますよね。ケーブルは安心感が一番かもしれないですね。ホント現場ってバタバタするし、いろんな人が機材を触ったり動かしたりするから、その中で生き抜かなきゃいけない。すごく汚れるので、しばらく使ったあと、ティッシュを湿らせてさーっと拭いて汚れをとって。今までホントによく頑張ってくれてますね。今回2種類のケーブルを使わせてもらったことで、シンセに使おうとか、ベースに使おうとか、選択肢が広がりました。日本製はジャックの径がこれよりほんのちょっと細いように思うんですよ。逆にアメリカ製はこれより気持ち太いんですが、KLOTZはちょうど良い感じですね。アメリカ製をしばらく使ったあとで日本製ケーブルを使うと緩くなってくることがあるんですが、これはちょうど良い太さというか。そんなに気にする人はいないかもしれないんですけど、ローディーさんとかはその差し心地の良さに気づくんですよね。ここも丁寧に仕上げられてるからなんじゃないかなと思いますよね。さすが、工業製品はドイツが基本って感じですね。
ティアック:気持ちよく差さってるかどうかは、弾く側の気持ちにも影響しますよね。
Shingo Suzuki:変に抜けちゃったときに「あれ、これジャックここ緩くなっちゃってないかな」とか。たとえば太いタイプのケーブルを使っちゃうと、端子がそのケーブルの仕様になっちゃってそれしか使えなくなっちゃう。別に細いのを使ってもいいんだけども、厳密にいうんだったらやっぱり太いのに合わせなきゃいけない。だけど、これはちょうど良くてストレスなくいけますよね。サクッと入ってサクッと抜けるというか。プラグがそれぞれ仕様が違うんですけど、これはこれで良いですね。ケーブルではここが一番壊れやすいんですよね。 あと、仕様に関しても、周波数特性とか拝見したんですけど、全く問題ないですね。
ティアック:FunkMasterはKLOTZオリジナルで、TITANIUMはNeutrik製です。
Shingo Suzuki:ああ、なるほど。だからしっかりしてるなっていう感じなんですね。大事なのはここですよね。iPhoneの充電器もそこですし(笑)。あとは、僕、他のメーカーのケーブルで、2回使って2回ともはんだが取れたことがあるんですよ、割と高いメーカーなんですけど。普通はそんなことなくて当たり前って考えちゃうから、そうなったときのショックがでかいですよね。だけど、これは仕様としてそうなりにくいように保護した上で、手作業で丁寧に確認してるんでしょうね。それがみんな気づかないところだと思うんだけど。バネみたいなものがここをちょうど保護してる感じになっていて、これも頭良いなと思いますね。一段重ねることで、バネだから曲げられて隙間を与えてる、だけどちゃんと皮膜処理されているから、しっかりしていて良いですね。ケーブルはストレスなく弾けることが一番ですが、その通りになっていて良いですね。
ティアック:KLOTZのケーブルを使用するのはライブが主ですか?
Shingo Suzuki:ライブが主ですね。というのは、ライブで1回渡しちゃうと現場でそのままずっと使用しちゃうんですよね。あと、これはたまたま長さがあるからライブ向きかなと。もちろんレコーディングでも使えるんですけど、長いからライブに持ってっちゃうんですよ。レコーディングといえばこの前、藤原さくらさんのオーチャードホールでやったライブが実はライブレコーディングなんです。そのときもやっぱりこのケーブルで録っています。もうDVDになっているので聴いてもらえればわかると思うんですけど、割とシンプルな取り回しで、芯のある音がそのままこれで録ってるって感じですね。
ティアック:ケーブルの使い方をお聞きしたいのですが、ベースからエフェクター、エフェクターからアンプ等がありますが、どっちで使われていますか?両方ですか?
Shingo Suzuki:FunkMasterはエフェクターからアンプに行くところで使ってます。長さの関係があって、ベースからエフェクターまで信号をまず安定させなきゃいけない。で、安定したものをそのままアンプに供給してもらうという感じですね。ベース側はあまり長くないモンスターを使ってます。で、モンスターでベースからエフェクターに信号を入れてローインピーダンス化して信号を安定させて、ノイズをなくしてからKLOTZケーブルでアンプへ送ってます。
ティアック:ベーシストやギタリストの方たちへ、ケーブルを変えてみることへのアドバイスがあれば、一言お願いします。
Shingo Suzuki:そうですね、ここで言ってきたように基本的なことを大切にすると良い音楽が集まってくるので、あまり疎かにしないこと。壊れたりノイズが出たりすると、演奏に集中できないし、周りにもネガティブな印象を与えちゃったりするので。ライブ中に突然バン!って断線しちゃうと、それこそ演奏が台無しになるから、そういう「基本」にちゃんとお金をかけて良いものを使うとストレスがなく、その結果、良い音楽を手に入れることができます。どうしても派手なエフェクターや、すっごい高いギターやベースに目が行きがちなんですが、基本のケーブルや電源、ミュートなどがでかい会場になればなるほど大事なので、まずそこを押さえていくのがベーシストとしてバンドのベースを支える人の役目です。そこを安定させるには、やっぱりKLOTZがお勧めですね。今回ツアーで使っても全く問題なかったので、そこは証明済みです。
ティアック:ありがとうございました。
プロフィール
Shingo Suzuki
ベーシスト、キーボーディスト、プロデューサー、トラックメーカー。 その唯一無二のトラックメイキングは世界各国で話題になりMyspaceやYahoo!ニュースでも「2008年最も驚きの新人アーティスト」として取り上げられる。 プロデューサー、ベーシストとして矢野顕子、Chara、KREVA、PES (RIP SLYME)、さかいゆう、藤原さくら、ビッケブランカ、尾崎裕哉、Uru、佐藤千亜妃 (きのこ帝国)、福原美穂、Shing02、Awesome City Club、七尾旅人、環ROY、中田裕二、ダイスケ、防弾少年団、川本真琴、SALU、5lack、PUNPEE、白神真志朗、DOBERMAN INFINITY、グローバー、Negicco、YOSHIKA、AISHA、Hanah Spring、Kie Katagi (jizue)、Keyco、SATOMI’、Yasei Collective、KOJOE、Wouter Hamel、illa J、DinoJr.、Monicaなど様々なアーティストをサポート。 また、SONY、docomo、JAL、JR東海、UNIQLO、JT、ジョンソン、KOSE、NISSAY、日清食品、ASICS、ATSUGI、みつばち保険、ムラサキスポーツ、TDK、CHUMS、Music on TV、J-WAVE、GION、ティップ.クロス TOKYO、TVアニメ「コンクリート・レボルティオ」などのCMやジングル制作など多岐に渡るシーンで活躍。また、CHMUSなどのアパレルブランドの雑誌やパンフレットなどメディアにも登場。