株式会社サンフォニックス様
PAシステムへのマスタークロックジェネレーター導入
「メリットは専用機ならではのクロックの安定性と、ジッター低減による音の再現性のレベル向上」
PAエンジニアとして様々なアーティストのステージを担当されている株式会社 サンフォニックスの佐川 夏彦さんに、現在PAシステムにお使い頂いているCG-2000についてインタビューにお応え頂きました。
CG-2000を今回は大橋トリオさんのライブ公演”ohashiTrio TOUR 2015 ~PARODY~”で実際に運用していただきました。
はい。全公演で使用いたしました。ツアーファイナルのNHKホールまで、全8公演です。
まずは、PAシステムにマスタークロックジェネレーターを導入した理由をお聞かせください。また、導入によりどの様なメリットがあると感じましたか?
大規模なイベント、また音響にこだわりのあるアーティストの仕事が増えてきた事もあり、ミキサー卓を含めたデジタル環境に一貫性を持たせる必要性が生じた為、導入を考えました。
メリットは専用機ならではのクロックの安定性と、ジッター低減による音の再現性のレベル向上を図れる事です。
数あるマスタークロックジェネレーターの中から、TASCAM CG-2000をお選びいただいた理由を教えてください。
ミキサー卓で音源をかけながら各社のマスタークロックジェネレーターを差し替えつつ、機種ごとの音質の変化をブラインドテストした結果、評価者の意見がCG-2000で一いたしました。
またリダンダント電源であるということも、選択した理由の一つになっています。
音質という観点からも導入いただいたということですね。実際にCG-2000を現場で使用してみてのご感想はいかがでしたか?
現場投入前のブラインドテストで、一つ一つの音の輪郭がはっきりした様な印象がありましたが、ツアーでもその印象は変わらず、音作りに関してはスムーズに進む要因になったと思います。
別の現場でCG-2000を抜き差ししながらチェロのサウンドチェックを行った事がありますが、使用した時の音の立体感の変化は、一聴して嬉しくなる程の変化でした。
今回はどの様な接続をされていたのでしょうか?
シンプルにミキサー卓のクロックマスターをCG-2000にするという接続です。
CG-2000は様々な機能を搭載していますが、特に気に入った、という点はありますでしょうか?
システム設定がエクスポートできる事と、クロック出力系統の多さです。 まだ全ての機能を網羅できてはいないのですが、CG-2000の拡張性のある機能を駆使して、新たなシステムを構築する機会が生まれた事も良い点だと思います。
今後、PA現場に於いてのマスタークロックジェネレーターの導入には、どの様な可能性がありますでしょうか。また要望などあればお聞かせください。
PA機器もデジタル化が日々進んでおり、ミキサー卓からアンプまでフルデジタルな現場も珍しくありません。統一されたクロック環境は今後スタンダードになりうる形ですし、マスタークロックジェネレーターを組み込むことで音質の向上を図るという意図も込めての使用も増えてゆくと思います。
自身としてもデジタルクロックに対して手探りで向き合い始めたばかりではあるので、今後可能性や方向性を見つけながら、長い付き合いを続けられればと思っています。
今後も是非ご活用ください。ありがとうございました。
マスタークロックジェネレーター CGシリーズの比較試聴を実施中です。
詳しくはこちらをご参照ください。
使用機材
プロフィール
佐川 夏彦さん
2000年より株式会社 サンフォニックス勤務
2007年よりビルボードライブ東京のPAチーフとして内外様々なアーティストのオペレートを担当。
現在はKIRINJI、大橋トリオ、細野晴臣、松下奈緒、南壽あさ子、DOACOCK、TEENTOP等のハウス、モニター等を担当。
株式会社 サンフォニックス https://sunphonix.jp/
山崎まさよし「String Quartet “HARVEST” in 東京」ライブ収録
CG-1800をマスタークロックとして、6台のHS-P82で192kHz/24bitマルチトラック収録が行われました。
詳しくは以下をご参照ください。
サウンド&レコーディング誌主催 Premium Studio live Vol.8 ライブ収録
CG-1000をマスタークロックとして、6台のDA-3000をカスケード接続してDSD5.6MHzマルチトラック収録を行いました。
詳しくは以下をご参照ください。
http://rittor-music.jp/sound/magazine/premiumstudiolive/38663/
鳥山雄司氏プロデュース”Women’s Liberation HR Part1” マスタリング
CG-1800をマスタークロックとして、マスターレコーダーのDA-3000にステレオミックスを録音するマスタリング作業に使用されました。
楽曲は以下をご参照ください。
サウンド&レコーディング誌主催 Premium Studio live Vol.7 ライブ収録
CG-1000をマスタークロックとして、6台のDA-3000をカスケード接続してDSD5.6MHzマルチトラック収録を行いました。
詳しくは以下をご参照ください。
http://rittor-music.jp/sound/magazine/premiumstudiolive/37362/
山崎まさよし「LIVE SEEDFOLKS Special in 葛飾」ライブ収録
CG-2000をマスタークロックとしてDA-3000を12台カスケード接続し、192kHz/24bitマルチトラック収録を行いました。
詳しくは以下をご参照ください。