インタビュー・レビュー
ミュージシャン・森広隆さん 「ハードウェアって、慣れてくると体の一部になってくるんです」

精力的な活動をされているシンガーソングライター 森広隆さんには、『DR-05』をはじめ複数のTASCAM製品をお使いいただいています。『DR-05』の使用感や使用方法を中心に、音楽制作における録音ハードウェアの存在について、お話を伺うことができました。

 

『DR-05』は、ちょうど良さ加減が素晴らしいです。

TEAC:本日はよろしくお願いします。最初に、お使いいただいている『DR-05』にはどのような印象をお持ちでしょうか。

森さん(以下敬称略):ほんっと使いやすい!説明書を見なくてもすぐに使えました。あと音いいですね。他社のひとまわり大きいレコーダーを4~5年使ってて、それと比べて音がクリアに聞こえます。変なところが膨らんでいなくて、フラットで、臨場感のある音ですね。どのパートもクリアに自然に聞こえて、全体が録れてる、潰れていないという感じです。どこに置いてもけっこういいバランスで録れますよ。

TEAC:『DR-05』は無指向性というタイプのマイクユニットを採用しているので、それもあるかもしれません。マイク自体には指向性がないので、向きに関係なく同じようなバランスで録れます。リハーサルと本番だと、どちらの用途で使うことが多いでしょうか?

森:リハ(リハーサル)が多いですね。リハで便利なのが、電池の持ち時間が長いこと。以前使っていたモデルだと駆動時間が短くて、6時間のリハーサルとか持たなかったんですよ。

TEAC:初代のモデルはもっと短かったんですが、デバイスなどの研究を重ねて長時間駆動を実現しました。

森:電池の持ち時間って結構重要で、前はゲネプロ最初から録って、じゃあ最後に通しでいきましょう!というタイミングで電池がなくなってて。あれ~いつから止まってたんだろう、、、みたいな。そのタイミングでメンバーに断って中断して、電池交換しなきゃいけないんです。だから電池が持つっていうのはほんとありがたいですね。

TEAC:他に印象的なことはありますか?

森:このシンプルさですね。ハンディレコーダーに求めることって、突き詰めれば押して録ることだけじゃないですか。機能がすごいたくさんある訳ではないんだけど、欲しいものはちゃんとある、というか。このちょうど良さ加減が素晴らしいです。

TEAC:どの機能をよくお使いですか?

森:感動したのはこのスピーカーですね。ちょっと確認、っていうのができるんです、こんな感じで。(『DR-05』で録音した音を再生しながら)あ、聴いてて思い出したんですけど、前の話に戻っていいですか?

TEAC:どうぞ。(苦笑)

森:曲作りのデモ録音にめっちゃ使ってます。前は曲作り用にはiPhoneのボイスメモを使ってたんですけど、パスコードいちいち入れるのが面倒だったり、肝心な時にタッチパネルの反応が悪かったりして。そういうのでモタモタしてる間に曲忘れちゃったりして。あと電話かかってきたり(笑)。

TEAC:肝心な時にかかってきますよね(笑)。

森:『DR-05』は電話もできないし、ネットも見られないし。誰にも邪魔されずに曲が作れるんで、なるべくこれを使った方がいいな、と思ってます。それもひとつの機能なのかもしれない(笑)。いつも手の届くところに置くようにしてます。


ハードウェアって、曲を作る時には特にいい。

TEAC:実際どのような感じで曲を作っていくのでしょうか。

森:どんどんこれを使って曲の断片を録りためていくんですよ。Aメロ、Bメロとそれぞれ何パターンか録ってみたりして、後で聞いて、これ採用、これダメ、みたいな感じで選んで全体を作っていく感じです。

TEAC:曲作りの方法、大変参考になります。iPhoneのボイスメモより『DR-05』、という事でしたが、パソコンやスマホが非常に便利な中、こういったハードウェアを使う理由はどの辺にあるのでしょうか。

森:ハードウェアって慣れてくると体の一部になってくるんですよ。ミュージシャンって操作を覚えて自分のものにする、とか、そういう事が好きなんだと思います。自分の楽器みたいな感覚まで使い込む感じですね。

TEAC:森さんにとっては録音ハードウェアも楽器なんですね。

森:もちろんDAWとかのリコール性ってすごく便利だと思うし、スタジオのレコーディングもDAWです。でもひとりで曲を作る時ってやっぱりとにかく集中したいんです。パソコンとかスマホって、どうしても画面を見ないといけないじゃないですか。ハードウェアだとすごく集中できて、それがいいですね。あと、パソコンとかスマホだと操作の途中で調べもの始めちゃったり脱線がすごくて(笑)。

TEAC:確かにパソコンで制作してるとよくありますね。

森:ハードウェアって、曲を作る時には特にいいんでしょうね。録音するまでが早いとか、集中できるとか、そういうハードウェア特有のところが、曲のアイディアを出したりまとめたりする段階では向いているんでしょうね。

TEAC:ハードウェアという意味では688をお持ちだったと思いますが、まだ現役でしょうか?

森:まだ使ってますよ!アルバム「並立概念」でも使っていました。改めて考えるとMTRを買うってすごいことですよね。あれだけの面積を365日占有し続ける機械を自宅に置くって、すごい気合のいることですよね。(写真は森さん所有の688)

TEAC:パソコンと違って他に使い道ないですしね(苦笑)。

森:TASCAMさんはハードウェアを製品化してくれるので感謝してます。これからも応援してます!

TEAC:応援ありがとうございます!今日はありがとうございました。

 

プロフィール

森 広隆さん
1976年3月9日生まれ、鹿児島県出身のシンガーソングライター。猫とゲームが好き。
2001年10月、ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。シングル『ゼロ地点』、アルバム『並立概念』など6作品をリリース。以後インディーズへ移行し、2009年にアルバム『planetblue』を、2013年にはアルバム『いいんです』をリリース。Coa名義にてプロデュース、アレンジ、楽曲提供などでも活動中。

オフィシャルサイト:http://morihirotaka.com/index.html

 

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