導入事例
株式会社オフィスオーガスタ様 | ライブレコーディング

株式会社オフィスオーガスタ様

「YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp 2015 ~20th Anniversary~」
24bit/96kHz 64ch ハイレゾライブレコーディングの舞台裏

ご導入いただいている製品

HS-P82、RC-F82、DA-6400、DA-3000、CG-1800、DM-3200、AV-P2800、VL-S5、DRAWMER LA12

概要

株式会社オフィスオーガスタ様主催の「YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp 2015 ~20th Anniversary~」において、TASCAM機器を多数使用したハイレゾライブレコーディングが行われました。8トラックのポータブルレコーダー『HS-P82』をメインレコーダーとして、バックアップには新製品の64トラックレコーダー『DA-6400』を使用した、64トラックのハイレゾ収録の模様をご紹介します。

Augusta Campは、今年でデビュー20周年を迎える山崎まさよしさんが所属するオフィスオーガスタのアーティストが一同に会して開催される大規模なライブイベントで、今回で17年目を迎えた歴史あるイベントでもあります。今回は横浜赤レンガパークに特設ステージを設け、開演12時、終演21時という長時間にわたって様々なアーティストが出演しました。ライブレコーディング機器のブースはメインステージ上手側後方、PAブースとは別に用意されました。前日大雨の中機材セッティングが行われ当日の天気が心配されましたが、当日は幸い好天に恵まれました。前日の荒天はセットアップにも大きな影響があり、ブース内も蛍光灯の設置が遅れたために夜間は暗がりでの作業が続きました。蛍光灯が設置された際にはスタッフから拍手が沸き起こるなど厳しい環境でしたが、なんとかセッティングを終えることができました。スタッフ尽力の下完成した特設録音ブース内の様子をご紹介します。

こちらがテント内の様子です。バックアップを含め合計9台の『HS-P82』、モニター用のコンソール『DM-3200』とモニタースピーカー『VL-S5』が設置されています。そのワイヤリングをご紹介します。

図は当日のワイヤリング模式図です。64chに渡るシステムですが、MADIなどデジタルフォーマットを駆使したことにより、信号終端側に行くに従ってシンプルな結線になっていることが確認できます。PA側から信号の流れに沿って詳細をご紹介します。 ※クリックすると拡大します。

テーブル下にPA側から分岐されたマルチケーブルが設置されています。信号は24bit/96kHzのハイレゾ収録を行うためPAコンソール前でアナログ分岐されています。写真には電源供給で使用されたパワーディストリビューター『AV-P2800』が確認できます。電圧表示があるため、電源電圧の変動を確認しながら作業を行うことができます。

マルチボックスからは1チャンネルごとに『HS-P82』のアナログ入力に接続されています。

メインのレコーダーである『HS-P82はEIN-125dBuを誇るUltra-HDDAマイクプリを搭載しており、今回のレコーディングにおいて録音と信号増幅という重要な役割を担っています。同時にバックアップ用レコーダー『DA-6400』への信号分配も『HS-P82』を用いて行っており、デジタル化された信号がAES/EBUフォーマット、96kHzダブルスピード方式で出力されています。D-sub25ピン接続のマルチケーブルを使用し、1本で8chの伝送となっています。
また、タイムコード、ワードクロックも接続されています。1台目の『HS-P82』がタイムコードマスターとなっており、『DRAWMER LA12』で分配されすべてのレコーダーにタイムコードが供給されています。

AES/EBUケーブルは2台のDirectout Technologies ANDIAMO.AES(協力:タックシステム株式会社)に接続され、MADIに変換されます。ANDIAMO.AESは1台で32chの変換を行うことが可能です。MADIは1本のBNCケーブルで非常に多くのチャンネル数を扱うことができ、今回はサンプリング周波数が96kHzであるため、32chの信号が1本のBNCケーブルで『DA-6400』に接続されています。PAからの信号は64chですが、2台の『DA-6400への接続はわずか2本のMADIケーブルのみです。
写真には4台の『DA-6400』が確認できますが、下2台がバックアップ用に使用され、上2台は予備として使用されました。

この写真は『DA-6400』のラック背面です。中央のモデルはマスタークロックジェネレーター『CG-1800』です。CGシリーズは12のBNCワードクロック出力を備えているため、今回のような大規模システムにおいても1台のクロックジェネレーターでワードクロックの供給が実現できます。

こちらは録音モニターシステムに使われたコンソール『DM-3200』です。『HS-P82』でステレオにミキシングされたモニター用信号8系統が『DM-3200』に入力されています。この部分はアナログでの結線となっています。

当日の機器オペレートをご担当いただいたエンジニアの鈴悟 (すず さとる)さんです。『DM-3200』はステレオ信号のミキシングのみに使われており、モニターバランスは『HS-P82』に接続されたフェーダーユニット『RC-F82でコントロールされています。もちろん、録音レベルには影響しません。『DM-3200』でミキシングされた信号は『DA-3000』にてステレオ録音され、当日の録音確認用音源として使われました。

こちらは当日実際に使われた回線表です。多くのアーティストが出演するイベントであるため実際の回線は64chを超えており、進行に合わせてケーブルを差し替えながら64chのレコーディングが行われました。

前日からのセッティングも終了し、いよいよ本番がスタートしました。こちらは当日実際に使われたセットリストです。

録音がスタートし、予備を含め9台の『HS-P82』がタイムコード同期で走行しました。会場内は歩き回ることが難しいほど盛況で、大きな歓声とともに山崎まさよしさんのステージで幕を開けました。

『DA-6400』もタイムコードによって完全な同期走行となっています。

途中の曲順変更などもありましたが、セットリストなどを頼りに状況確認をしながらケーブルの差し替えなどが行われました。

演目は順調に進み夜になりました。テント内は作業用の電灯が点灯しています。開場内にはフードコートもあったため、ステージの合間に横浜の夜景を楽しみながら食事をとる来場者の方も多く見受けられました。まさに野外音楽フェスティバルといった趣で、来場者の皆様は様々なスタイルでご自身のAUGUSTA CAMPを楽しまれていました。

ステージも終盤です。録音中は常にレベルや音の監視が続けられました。モニターバランスの確認は、パワードモニター『VL-S5』とヘッドホンで行われました。 ステージ終了とともに録音が停止され、無事にすべての録音が終了しました。録音メディアであるコンパクトフラッシュがそのまま納品され、また『DA-6400』のデータはUSB3.0経由ですぐにバックアップが行われました。『DA-6400』のメディアはSSD(TSSA-240A)であり、かつSSDのケース(AK-CC25)にはUSB3.0の端子が備えられているため、終演後のバックアップもスピーディーに行われました。撤収後すぐに雨が降り出し、まさに「好天に恵まれた」コンサートとなりました。

長時間、複数アーティストに渡る大規模なコンサートでありながらコンパクトなシステムでライブレコーディングを行うことができることが、ご確認いただけたと思います。システム構築などのご参考としていただければ幸いです。

株式会社オフィスオーガスタ様 ホームページ

http://www.office-augusta.com/

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