インタビュー・レビュー
かごめP | CG-1000使用レビュー

導入のきっかけ
きっかけは、単純に一目惚れです(笑)。およそ「クロックジェネレーター」という機材のイメージには似つかわしくない筐体デザインが気に入りました。 音楽機材選びにおいて、「デザインの良さ」ってモチベーションの為にめちゃくちゃ大事ですよね。その点、これは素晴らしい。勿論、「スタジオ用っぽい武骨さ」といったベクトルの好みがある人もいるとは思いますが、クロックジェネレーターなんて地味な役割の機材にこのデザインを入れてきたTASCAMさんは素晴らしいと思っています。
また、音の良さもさることながら、ディスプレイが大きく、輝度も高いため、どんな条件でも現在の設定・状況が一目でわかるところも気に入っています。この輝度とディスプレイの見やすさを持ったクロックがなかなかないので、僕のように、作業部屋を暗くしたいミュージシャン、エンジニアには自信をもって勧められます!

音の傾向
第一印象としては、音のローとハイのレンジが上がり、「広く」「平坦な音」になったと感じました。マスタリング業務で複数のAD/DAを使用するので、元々、クロックにはこだわりがあったのですが、今まで試したクロックとはハッキリ印象が違いますね。ありきたりな表現で恐縮ですが、音のディテールがハッキリし、楽器一つ一つが分離するようになりました。
あまりの印象の違いに「コレは良い変化なのか……?」と、最初は戸惑ったのですが、様々な曲を聴いているうちに、有益な点が多いことに気が付きました。とはいえ、DAWのPanの値をハッキリ感じられるレベルに音が分離するので、人によっては「デジタルっぽい事務的な音」と聴こえてしまうかもしれませんね。

気に入っているポイント
導入以来、特に気に入っている点は、前記のように音の定位がよりハッキリした点です。


僕の環境は上記のように2wayのモニタースピーカーなのですが、CG-1000の導入以来「あれっ……ウチってフルレンジスピーカーだっけ?」と感じるようになりました。
今のモニターが2wayなのは、様々な検討を経た結果ではあるのですが、2wayの出力と、フルレンジの定位感を、クロックによってここまで両立できるとは思っていなかったので、驚いています。
正直、ウチの何倍も高価な機材を導入しているスタジオより、音が良い自信があります(笑)。

操作性
CG-1000は音もデザインも抜群に良いんですが、操作性だけは正直改善の余地があると感じています。
実機に触るまではてっきり、フロントパネルのダイヤルでクロックを変えられると思ってたんですよ。
ところが、フロントパネルから一発ではクロックが変えられないんです。ライブPAやスタジオの備え付けなら、それでもいいのかもしれませんが(ダイヤルだけだと誤操作を誘発しそうですものね)、自宅環境等の、ある程度パーソナルな使い方をする現場では、この仕様はちょっと手間かもしれませんね。プリセットボタンに登録ができるので、当面はそれで対処しようと思います。この点は今後のアップデートに期待したいところですね。

尚、誤操作の防止策については、パネルロックスイッチがあるので、安心して使えますよ!

コストパフォーマンスに優れた良機!
最終的に、「見た目が気に入ったら試してみた方がいい」です!また、モニタースピーカーの買い替え等を検討されている方にも、まずは試してみることをおススメします。ちゃんとしたスピーカー、DAコンバーターを使用していると、本当に劇的に音が変わるので、逆に、このクロックを試して音の変化を感じられなかったら、まずはスピーカーやオーディオインターフェースのアップデートを考えた方がいいと思います。
より良いモニター環境をお考えの方には、是非お勧めしたいですね。

プロフィール

かごめP
幼い頃からピアノ・エレクトーンを習う。音大卒業後、レコーディングスタジオで働く傍ら、2009年にボカロPとして活動を開始。現在、ボカロPとしての活動以外にも、様々なアーティストのミックス/エンジニアリングを手がけ、インターネット上に発表されているだけでも、その曲数は400曲を超える。工学社より自身初の著書「ボーカロイドで作曲入門」を出版、幅広い領域に活動の幅を広げている。
VOCALOIDプロデュース集団「VOCALOMAKETS」所属。そのプロデュース第一弾ライブラリ「結月ゆかり」がAHS社より発売中。

リンク
http://planariya.tumblr.com/
http://www.vocalomakets.com/

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