インタビュー・レビュー
ミュージシャン・石黒彰さん 「音楽的な音の善し悪しはスペックで計れない」

石黒彰さん『US-16x08』インタビュー「音楽的な音の善し悪しはスペックで計れない」

聖飢魔IIの「レクターH.伯爵」として有名なキーボーディスト、石黒彰さんにはご自宅用にオーディオインターフェース『US-16x08』をご愛用いただいています。ご来社の折、お時間をいただくことができましたので、その使用感についてインタビューをさせていただきました。

圧倒的に音がいい!US-16x08は音楽的な音。

TEAC
本日はよろしくお願いします。早速ですが、お使いいただいての感想をお聞かせください。
石黒さん
(以下敬称略):
以前は他社の有名な、結構高いモデルを使ってて。で、これ(US-16x08)に変えて最初に思ったのは、なんで同じMP3なのにこんな音違うの?って。MP3の音って嫌いだったんですけど、最近は音資料のやり取りは圧倒的にMP3が多いじゃないですか。聞くの嫌だったんですよ、音悪いな~って。
TEAC
音楽制作ではなくて、資料音源を再生した時の出音ということでしょうか?
石黒
そう。MP3に段々ならされてきちゃったんだけど、でも、この音ならMP3もいいじゃん、みたいな。圧倒的にこっち(US-16x08)の方が良くてびっくりした。音のレンジが広いし、キメが細かいよね。
TEAC
デジタルの信号をアナログに変換するDAC、そのあとのアナログ回路の音質はデジタル音源のフォーマットを問わず大きく影響しますので、その部分が以前お使いの機種より良かった、ということだと思います。
石黒
TASCAMさんがチューニングしたんだろうな~と思った。音が音楽的なんだよね。最近安いものでもいろんなオーディオインターフェースが出てるけど、音質の部分は色々ノウハウあるだろうし、同じ音にはならないんだろうな~と思う。
TEAC
そうですね、オーディオスペックだけなら出せるのかもしれませんが、音楽的な音というのは難しいのかもしれませんね。社内でも音楽素材だけでなく楽器などで録音、試聴を繰り返して音質をチューニングしていますし。
石黒
シンセサイザーでもそうなんだけど、音楽的な音の善し悪しって絶対スペックじゃないんだよね。たとえばNORD(NORDLEAD)って鍵盤弾きの間では評価が高いけど、スペックだけなら他に上回るものってたくさんある。でもみんなNORDを使うんだよね。
TEAC
しっくりくる音ですよね。
石黒
そう。でもなんでしっくり来るのかはみんな説明できないけどね。音響機器に関してもそういうことってあると思う。音楽的な音って説明はうまくできないけど、これ(US-16x08)の音はそういう音楽的なものを感じたね。正直、なんかUSBってあまりいいイメージ持ってなくて、結局汎用品だからFireWireやPCIカードタイプに比べて音悪いようなイメージがあって。(苦笑)でも全然問題ないな~っていう感じだし、自分が偏見持ってたな、っていう印象でしたね。

アナログシンセがなんで生き残るか。

TEAC
他に良かった部分はありますか?
石黒
インプット多いのが僕はすごく便利。これ(US-16x08)の出現によって使っていたデジタルミキサー、もう売っちゃいました。場所ばっかとって、もう必要ないじゃん!って。(笑)今はコンパクトな方がいいし、自宅はフルで稼働してるレコーディングスタジオじゃないので、これで十分だなと思いましたね。
TEAC
複数のシンセサイザーを接続できて、録りたい時にいい音で録れれば十分という事でしょうか。
石黒
今は家で録って、ファイルを送って、むこうで(スタジオで)混ぜて、みたいな仕事が多いじゃないですか。でっかいデジタルミキサーがあっても結局必要なのはレベル調整とパンくらいで。これ(US-16x08)でいいじゃん、って言ったら失礼ですけど、十分だよね。あと安いよね。録り音もいいし文句のつけようがないというか、、、。
TEAC
ありがとうございます。ちなみに何台くらいシンセサイザーが接続されているんでしょうか?無理やり文句をつけるとしたらどういった部分でしょうか?(苦笑)
石黒
多い時は5台くらい。文句つけるなら、、、実はハード音源はほとんどリアパネルにつないでるので、XLR入力はあんまり使ってないな。個人的にはたくさんハード音源があるから全部ライン入力のモデルを作ってくれると嬉しいんだけど。(苦笑)
TEAC
ハード音源用インターフェースですね。
石黒
そう。最近またハードウェアシンセサイザーが復権してきてるから、入力の多いモデルはすごくいいと思う。あの最近でたやつあるじゃん、US-20x20。あれは最高だよね、フロントにもシンセ繋げられるし。もっと先に出してよ!
TEAC
申し訳ありません。(苦笑)世代にもよると思いますが、たくさんのハードシンセが接続されている様はそそられるものがありますね。
石黒
キーボーディストの間でも全部ソフトシンセでいいじゃん、っていう時期があって。でも結局音の出口が一緒だから、音の傾向が似て来るんだよね。違うソフトシンセをたくさん並べても、全体で聞いたときに立体感がなくなる感じで。
TEAC
違う音だけど、同じ。みたいな感覚でしょうか。
石黒
そうそう。そんな感じです。
TEAC
その時期を経て、最近のハードシンセブームな訳ですね。
石黒
ハード音源を接続する上ではこのアナログ入力や操作がフロント側に多いっていうのがいいよね。たいてい入力端子ってうしろでしょ?アナログシンセと一緒で見てわかる、すぐ操作できる安心感というか、そういう部分は大事。アナログシンセがなんで生き残るかっていうと、すぐ操作できて、創意が失われないんだよね。デジタルが嫌いな訳じゃないけど、デジタル機器にはそういうユーザーインターフェースの部分はどんどん取り入れて欲しいと思う。
TEAC
その時期を経て、最近のハードシンセブームな訳ですね。
石黒
ハード音源を接続する上ではこのアナログ入力や操作がフロント側に多いっていうのがいいよね。たいてい入力端子ってうしろでしょ?アナログシンセと一緒で見てわかる、すぐ操作できる安心感というか、そういう部分は大事。アナログシンセがなんで生き残るかっていうと、すぐ操作できて、創意が失われないんだよね。デジタルが嫌いな訳じゃないけど、デジタル機器にはそういうユーザーインターフェースの部分はどんどん取り入れて欲しいと思う。
TEAC
ご意見ありがとうございます、今後の新製品開発で参考にさせていただきたいと思います。最後に何か言い残しなどございますでしょうか?(笑)
石黒
使ってるCDトレーナーが使い過ぎで調子悪くなってきたんだけど、次は!?
TEAC
検討いたします。(笑)本日はありがとうございました。
石黒さん自宅スタジオの様子です。ラック最上段に『US-16x08』が確認できます。

プロフィール

石黒 彰さん

ピアノ・オルガン・キーボード・エレクトリックバイオリン/作・編曲/マニピュレート/サウンドプロデュース  高校生の頃よりブリティッシュハードロック、プログレッシブロックに傾倒しキース・エマーソンに影響され国立音楽大学に入学。卒業後ジャズ、フュージョンに傾倒しジャズ理論などを学ぶ。『鳥山雄司Zi-Space』でプロデビューし、以来、数多くのセッション、ツアー、レコーディングに参加。『山本恭司』や『北島健二』のデビュー30周年ライブに参加するなどのほか、作編曲家として『鋼の錬金術師』、『NARUTO』、『デスノート』等、アニメのキャラソン制作や、ドラマの劇版も手がける。1992年からは2年間聖飢魔IIで『レクターH.伯爵』としても活動し、1999年の解散ライブにも再び参加。2015年は(石黒彰として)再集結した『聖飢魔II』の「全席死刑ツアー」及び、年末から年始にかけてアメリカを代表するギタリストである『ガスリーゴーヴァン』の『ガスリーゴーヴァン ジャパンツアー 2015~2016』に参加が予定されている。

オフィシャルサイト:http://www.ne.jp/asahi/akiraishiguro/homepage/

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