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自社番組配信で使用した機材を詳しく解説。『半田健人 x TASCAM タクミノオト』配信機材一式のご紹介

2021年6月4日に『半田健人 x TASCAM タクミノオト』と題したライブ配信を実施しました。

普段の作曲やライブ配信においてTASCAM製品をご愛用いただいている歌手の半田健人さんをゲストに招き、今回新曲のレコーディングでご使用いただいたTASCAMマイクプリアンプ『SERIES 8p Dyna』についての感想や、半田さんご自慢のビンテージマイクコレクションについてトークしていただきました。

今回のライブ配信で使用した機材についてレポートいたします。

 

基本システム ~SERIES 8p Dyna~

これまで弊社が行ってきた配信とは異なり番組内で取り上げた『SERIES 8p Dyna』をヘッドアンプとして使用。『Model 16』のゲインは0に設定し、『SERIES 8p Dyna』側で半田さんが持ちこまれたビンテージマイクのインプットレベルの調整を行いました。

『SERIES 8p Dyna』

 

『SERIES 8p Dyna』はTASCAM最上位クラスの『HDIAマイクプリアンプ』を搭載。アンプ初段に2つ、次段に1つのオペアンプを使用することで、雑音特性の極めて低い優れた音響特性(EIN、S/N比、歪率、周波数特性)を実現。ゲインレンジを大きく取ることができ、且つゲインを上げた場合でも特性の維持が可能です。

半田さんが持ち込まれたビンテージマイクのなかでも特に感度が低いリボンマイク『beyerdynamic M500』では、『SERIES 8p Dyna』でゲインを大きく上げる必要がありましたが、期待通りに低ノイズかつクリアな音質で音声信号を増幅することができました。

また、各チャンネル個別に48Vファントム電源の切り替えが可能で、リボンマイクとコンデンサーマイクが混在する場合においても使用できます。

 

音声の取りまとめはライブ配信用ミキサーとしてご好評をいただいているModelシリーズから、スタジオに常設している『Model 16』を使用しました。

『SERIES 8p Dyna』は、TRSフォンとD-SUB端子それぞれで8チャンネルのバランス出力が可能で、今回はブレイクアウトケーブル『KLOTZ TAN08DM』を介して『Model 16』に接続しました。『KLOTZ TAN08DM』は、柔軟性のあるスタジオマルチコアケーブル『KLOTZ PW08X』を使用しており、85pF/mの低い静電容量を実現。アナログ信号の伝送に伴う音質変化が少ない明瞭なサウンドでした。

『SERIES 8p Dyna』側出力

 

『Model 16』側入力

 

今回の配信システムは、レコーディングにも応用できるシステムで、ゲインレベル不足やノイズの懸念があったビンテージマイクにおいてもクリアなサウンドで配信ができました。

バランス音声接続したVS-R265でも音ズレがなく配信

ハードウェアエンコーダー『VS-Rシリーズ』の音声はHDMI、3.5mmアンバランス、ユーロブロックバランスと3種類の入出力端子を装備しています。

『VS-R265』

 

実際の現場では、映像と音声をビデオミキサーでエンベディットし、HDMIを経由して『VS-Rシリーズ』に入力する方法で活用される場合が多いようですが、今回はバランス入出力に対応した『VS-Rシリーズ』の特性を生かすべく、『Model 16』のXLRメインアウトからユーロブロックケーブル『KLOTZ M5FXE015』を経由して、『VS-R265』にバランス接続しました。

 

今回YouTube Liveとニコニコ生放送でサイマル配信を行いました。ネットの回線速度が100Mbpsを切る環境であることを考慮し『VS-R265』は可変ビットレート4Mbpsで設定しました。

『VS-Rシリーズ』をご購入いただいた方やご検討いただいている方からは『VS-R本体で音声をエンベディットして、映像と音声はずれないのか?』といったご質問をいただきますが、今回懸念していた映像と音声のズレもなく安定した配信で番組をお届けできました。 この辺りは、本ページの最後に掲載しているアーカイブ動画をぜひご確認ください。

バランス接続できる大きなメリットは音声回線の距離を引き回せることや既存のハードウェアのプロセッサーを使用できることです。例えばライブハウスなどに常設されているプロセッサーを経由した音声信号をそのままバランス接続することが可能です。OBSでプラグインエフェクトを使用するよりも低遅延かつ高音質化にもつながります。

 

ビデオミキサーはBlackmagic Designの『ATEM Mini』を使用。各カメラのスイッチングやクロマキーエフェクト、ピクチャーインピクチャーによるワイプ映像の映し出し等、番組を彩りつつ配信映像のモニターをオペレートすることで、演者が番組に集中できることを念頭に置きました。

 

VS-Rシリーズ本体には配信前の映像をモニターする機能はありません。これは筐体、機能をシンプルにするためです。また『ATEM mini』は各HDMIから送られてくる映像をマルチビューでモニターが出来ない仕様となっています。どのカメラがどこを映しているか分からない為、別途マルチビュー搭載のミニモニターがあると便利なのですが、今回は番組構成もシンプルなため、あえて接続機器は極力減らした構成としました。

カメラシステム

カメラは今回キヤノンマーケティングジャパン様の協力により業務用ビデオカメラ『XA40』をお借りしました。『XA40』はすでに過去の配信で何度か使用していますが、ライブ配信においては非常に使い勝手がよく、カメラは門外漢である弊社スタッフでもすぐに使いこなすことができました。特にそれほど広くない部屋のスタジオでは、『XA40』の広角アングルはカメラポジションの制約を受けにくく、引きの画が作りやすいです。また光学20倍ズームなので、アップに対応できることも、『XA40』をライブ配信で使用する大きなメリットだと感じました。

一眼レフカメラなどと違い、スムーズかつ静かな高速ズームが可能なため、カメラワークの幅もかなり広がりました。またフォーカスに関しても高速かつ動き回らないので、非常に使いやすかったです。

 

また平和精機工業様よりお借りした三脚Libec 『TH-Z』は驚くほど軽量なのにもかかわらず、しっかりと安定していました。
以前の自社配信ではカメラ用の安価な三脚を用いていたこともありましたが、ビデオに特化した三脚はパンやチルトの際も程よい抵抗で、カメラに対するブレもなく的確な位置に動かすことが出来ました。

 

『都会』リリース記念特番『半田健人 x TASCAM タクミノオト』

 

使用機材リスト

 

機材協力

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

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平和精機工業株式会社

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