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ボカロP・ねじ式さん 「何よりモニターがいいと曲作りが楽しいです」

ユーザーレビュー・インタビュー

ねじ式さん

 

アクティブモニター導入のきっかけ

今までパッシブの定番モニターを使ってたんですよ。ただ最近の音楽はボカロ曲に限らず音のレンジがどんどん広くなってきて、物足りなさも感じてきたんですよね。

パッシブモニターは耳心地はいいし、スタンダードな音で気に入ってたんですけど、今の近代的な2010年以降の音ではないなっていう思いもあって、例えばベースのプラグインとかを使っていても特に低音がしっくりこなくって、どうすればいいのかなって思ってました。

色々モニタースピーカーを探してたんですけど、アクティブモニターに移行しようか悩んでた時にTASCAM 『VL-S5』を紹介いただいて、サイズやスペックも自宅で使うには手ごろだったので導入してみました。

 

ボカロ曲の音作り

僕はボカロPとしての活動が大きいのですが、ボーカロイドって音作りが独特なところがあって、例えばエフェクトひとつとっても普通のボーカルはかけすぎず、人間の自然な流れを生かしてコンプやリバーブをかけてってやると思うんですけど、そのセオリーだとボカロの場合、滑舌がはっきりせず、歌詞が聞こえなくなってしまうので、結構極端なセッティングをするんですね。

コンプの場合レシオは∞、スレッシホールドもガッチリ効かせて、メイクアップゲインでレベルを稼ぐようなセッティングが多いんですよ。『VL-S5』はその辺の音のキレが全然違いますね。

あと、『VL-S5』は速い曲を作る時に気持ちがいいんですよ。ボカロ曲って速い曲が多くて、それは体感的なBPMの速さもそうですけど、たとえばテンポ150での16とかハイハットのそういう刻みも機敏で音の立ち上がりがスピーディーで、そういうミックスは凄くやりやすいですね。

実は『VL-S5』を導入する前後に低音を聞かせる4つ打ちの曲の依頼があって、シンセベースと909のキックとダンスっぽい音を想定したんですけど、『VL-S5』はパッシブモニターと比べても作りやすさが全然違いましたね。パッシブモニターはベースラインを作っても、ちょっとだぶついた音でしっくりこなかったんですけど、『VL-S5』でモニターした際にバシッとすぐに決まりました。音を出してて楽しかったです。

一方で、今のボカロ曲ってアコースティックバージョンも手掛けることが多いんですけどアコースティックバージョンでも要求される、広いレンジでクリアーに音を聞かせるアレンジでも違和感なく使えました。

アップロード音源

MP3の時代になってニコニコ動画とかYouTubeとかにアップロードされる音源は削られる低音を先読みしてミックスしないといけないので、PCやスマホのスピーカーなど様々なデバイスでの確認が必要になります。

一旦曲を書き出して、移動中ヘッドホンで聴いたり、車で聞いたり環境を変えてチェックして、ラジカセでチェックするとあまりにスカスカで音作りが行ったり来たりすることってあると思うんですけど、『VL-S5』ではあまりそういうことが無かったですね。

 

モニター環境の重要性

ボカロ曲のミックスってまだ歴史が浅い分、クリエイターが様々なやり方を模索し、進化してると思うんですね。2008年ごろから初音ミクが出てきて、DTMも世代問わず盛り上がってますよね。

例えば学生さんで曲作りをしている方って実家住まいで大きい音が出せないから、ヘッドホンでのミックスが中心になると思うんですよ。社会人になると余裕も出て自室にスピーカーを置いてミックスできるようになりますよね。そうした時にでき上がった音の違いで結構驚くと思いますよ。ヘッドホンだけだと、どうしてもこじんまりしますから。

先に言ったように聞き手の皆さんが様々なデバイスで音楽を楽しまれるので、作り手もそれを想定しないといけない。
2010年代になって楽曲の発表の場がネット動画になってから、実は音の臨場感がさらに求められてます。
レンジが広くてナチュラルなのはもちろん、これまで以上にキレが良くレスポンスが良い音。僕はボカロ曲の他にもロックバンドやアイドルの曲も手がけますから、様々な音を詰め込んでもきちんとあら捜しができて、気持ちよくモニターできる環境は極めて重要ですよね。

何よりモニターがいいと曲作りが楽しいです(笑)

 

プロフィール

ねじ式(火曜日P)さん
2013年8月6日に「六等星の夜」でデビュー。
初投稿以降20作連続で毎週火曜日に新曲を投稿した事から「火曜日P」とも呼ばれる。
作詞、作曲、そして全ての楽器演奏を自ら手がけているマルチプレーヤー。共感度の高い作詞、秀逸なポップセンスを軸に楽曲のジャンルもロックを中心に幅広く手がけている。

溢れる創作意欲から1年の間に4枚のコンピレーションアルバムに参加し、2014年4月にはオリジナルアルバムをリリース。
また新ボーカロイド「Rana」のモニターソング担当、Androidアプリ「タッチポップ」への楽曲提供、ボーカロイドのみならずLinQ・姫崎愛未のソロプロジェクト「amihime」への楽曲提供なども行っており、ジャンルの問わない活動にも期待が集まる。

Twitter:https://twitter.com/nejishiki0221
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