人気歌い手であり、イヤホンマニアに造詣が深いシンガーのRYOさんに beyerdynamic のフラッグシップイヤホン XELENTO REMOTE をご試聴いただきました。
今回の試聴にあたっては、スマホの音源をどれだけ良い音で聴けるかという観点で、iPhone 7 PlusとiTunesで比較しました。
普段、歌い手として活動されていることもあり、EDMから、ジャズやブルース、歌謡曲、ビートルズなどキャラクターが異なる音源を使用しました。
今回 XELENTO REMOTE がダイナミックドライバーであることを考慮し、普段RYOさんが愛用されているバランスドアーマチュアドライバー(以下BA)のイヤホンと比較していただきました。
RYOさん(以下敬称略):ダイナミックドライバーらしい音ですね。BAとは全然違う。音の表現は丸く、すごくまろやかさを感じました。ギターのピッキングノイズなどの聴こえ方はBAの方がよかったですが、XELENTO REMOTEはとてもナチュラルで、ボーカルとか空気感の表現はすごく巧いと思いました。特に中域から高域の空気感はすごいですよ。BAに比べると音場は広いですね。BAだと4つのユニットのクロスオーバーポイントを感じることもありますけど、XELENTO REMOTEの方はすごく滑らかですよね。
RYO:BAは全帯域気持ちよく聴けました。BAはドンシャリとか向いているんでしょうね。ただ、もうすこし滑らかさは欲しいと思うんですよね。一方、XELENTO REMOTEはキックがすごく出ますね。音の丸さを感じるので、中域が得意なんでしょうね。BAとのキャラクターの違いがよく出ますね。
RYO:やっぱりXELENTO REMOTEの方が奥行き感はすごく出ますね。BAだとパン!パン!パン!パン!と音のレスポンスがすごく速いから、歯切れのいい音は得意に感じるんですが、その分、音に余裕を感じない部分があり、のっぺりとした感じがします。その点、XELENTO REMOTEは少しふわっと返してくれるから、ライブ音源なんかは非常に聴きやすい感じですね。これを聴くと、XELENTO REMOTEはボカロとかEDMはあんまり得意ではないかもしれないですね。もちろん聴けないことはないですけど。ただ、アタックやレスポンス感は、そこまですごく速いイヤホンではない印象です。
※ここでオーケストラが入っているロック曲という事でビートルズをかけてみる。
RYO: BAは一言「こいつらしい音」って感じですね。一方XELENTO REMOTEですが、とても面白い!一言で言うと、すごくこの音源に向いています!
XELENTO REMOTEは1つ1つの音の縦の幅が全然違いますね、立体感が。余裕があるから、その空気感までしっかり伝わってくる。BAは、1つ1つの解像度があり、輪郭ははっきりしているんですが、XELENTO REMOTEはその輪郭だけじゃなく、後ろの空気みたいなのも伝わってくる。とても音楽的です。ビートルズはよく耳にする定番の音源の一つですが、声の倍音とかもしっかり聴こえたので、すごく良かったです。
RYO: BAは1つ1つの音を細かく再現してくれるんですけど、ダイナミック型のイヤホンは音を全体にまとめてくれる印象があります。空気感も含めて。奥行き感はやっぱダイナミックの方があるなと。
BAは解像度は高いけど、奥行きまでの余裕は感じないんですよね。1つ1つの音をちゃんと聴かせてくれるんですけど、その1つ1つの音の奥行きとか立体感というのはダイナミック型の方が楽しめますね。個々の音の解像度はBAに分がありますけど、音の奥行きや立体感、空気感の表現というのは、ダイナミックの方が得意なのかなというのを、改めて感じましたね。
XELENTO REMOTEは他のダイナミックタイプのイヤホンと比べても、音場も広くて、横にも縦にも、あと奥行感も広くて、すごく柔らかくて、いいなと思いましたね。 ライブ音源やロックはとてもよかったですね。
普段はイヤホンで音楽を聴くため、ヘッドホンはレコーディングの時しか使わないというRYOさんですがこの機会にbeyerdynamicのヘッドホンの新製品もご試聴いただきました。
※Aventho Wireless JPは、Qualcomm® aptX™ HDに対応しており、再生機器によってはBluetooth®接続でもハイレゾ音源の再生が可能。また有線接続での使用も可能。
RYO:Bluetoothでこの音質だったら、良いと思う。ただ有線と比べるとやっぱ気になっちゃいますね(笑)。有線は変に色づけはされてないかな。ケーブルは偉大だと思います(笑)。
フラッグシップの T 1 と比べると、Aventho Wireless JPの方が今風ですね。T 5 p 2nd Generationの方がクラシカルな印象があります。Aventho Wireless JPはアタックはすごく強く感じるけど、レスポンスは空気感を損なう訳でなくすごくバランスが良いと思いますね。
普段お使いのイヤホンやポータブルオーディオディバイスを教えてください。
RYO:普段オーディオはDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)で聴いています。最近は韓国製のDAPを使っています。今日イヤホンは比較用にBAを持ってきました。ドライバーを4機積んでいるタイプですね。ちなみにイヤホンは20個くらい持っています。自作イヤホンも含めて、BAからダイナミックまで色々とありますよ(笑)。
イヤホンにハマったきっかけを教えてください。
RYO:何気ないことです。「ちょっと良いイヤホンを試聴してみよう」って、聴いてみたら、普段聴いてる音、音楽でも聴こえない音が聴こえてきたっていう感動があったので、そこからちょっとハマっちゃいましたね。「こんな音入ってたっけ!?」みたいな。
RYOさんのイヤホン選びのポイントを教えてください。
RYO:ボーカルものを聴く場合は、サ行が刺さらないのが第一条件ですね。見た目はそれほど気にしないです。 例えば、100均のイヤホンとかって、全部それなりに聴こえるんですよ。だけどそれって、聴こえない音もいっぱいあるから、全部がそれなりに、悪く聴こえるともいえるんですよね。だから、どれを聴いても、「まあ、まあ、まあ」みたいな。100均と言わず、千円くらいでコンビニに売ってるようなものもそうですけど。でもそれぐらいのイヤホンでもそれなりに聴けるじゃないですか。
ヘッドホンに比べて、イヤホンは何かしら、個性が特化してると思います。全てをカバーできるイヤホンは正直難しいと思うんですよね。ドライバーの大きさとか構造にもよって楽曲のジャンルを選ぶと。安いイヤホンの方が全域カバーしているように聴こえるのもあるけど、たぶん音質がそれなりに悪いからで(笑)。その点、良いイヤホンになればなるほど、その個性によって聴きやすさの違いが絶対にあるような気がしますね。
RYO
ツイキャスの歌ってみた生放送をきっかけに楽曲投稿を開始し人気を博す。東京を中心に大阪や北海道・沖縄、海外、中国と精力的なライブ活動を展開。
またファッションブランドモデルのオーディションを受け、約4,000名の中からグランプリを獲得したことをきっかけに、各有名ファッション雑誌へのモデル活動やテレビ、ラジオでも活躍。
カメラにも造詣が深く、フォトグラファーとしても活動中。
RYO公式サイト:http://ryo24ryo.wixsite.com/ryo24-official
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