インタビュー・レビュー
ミュージシャン・村石雅行さん 「スタジオのシステムや録音テストの模様をご紹介」

ドラマー村石雅行さんドラム道場・スタジオ訪問 録音のススメ by TASCAM 『US-16x08』

村石雅行さんのスタジオには『US-16x08』が2台導入されており、主宰されるドラム道場「村石雅行ドラム道場」においてもこの録音システムの稼働が予定されています。実際の運用に先立ち、村石さん旧知のエンジニア福島浩和さん、道場生でありスタジオミュージシャンの藤原佑介さん、佐伯シンタロウさんがスタジオに集まり、機材操作の確認や録音テストが行われました。スタジオのシステムや録音テストの模様をご紹介いたします。

レコーディングシステム

スタジオのマイク、回線

マイクスタンド、ケーブルは常設されており、9チャンネルが使用されています。マイクは定番のNEUMANN U87Aiの他、タム用にはbeyerdynamic TG D52dが採用されています。
2台の『US-16x08』は1台目がコンデンサーマイク、2台目がダイナミックマイク用に割り当てられています。

  • 『US-16x08』-A
  • ch1: Top L
  • ch2: Top R
  • ch3: Blank
  • ch4: Blank
  • ch5: HH
  • ch6: Blank
  • ch7: Blank
  • ch8: Blank
  • 『US-16x08』-B
  • ch1: BD
  • ch2: SN Top
  • ch3: SN Bottom
  • ch4: H-Tom
  • ch5: M-Tom
  • ch6: F-Tom
  • ch7: Blank
  • ch8: Talkback

『US-16x08』-Bのライン出力がTRSケーブルで『US-16x08』-Aのライン入力に接続されています。LINE 9-10は端子が前面であるため、『US-16x08』のフロントパネルに入力されており、レベルも調整後テープで固定されています。

DAW

DAWソフトウェアは、村石さんが普段愛用されているMac Bookにインストールするため、ProTools 11が採用されています。『US-16x08』のレイテンシーの精査が行われ、結果が良好であったためDSPミキサー経由のモニタリングではなく、ProTools経由のモニタリングが採用されました。ProToolsの設定では、再生時のタイミングを調整するためにI/Oレイテンシー設定を調整した設定が採用されました。録音時にもプラグインエフェクトおよびAUXバスの使用が必要であるため、ProTools 11の低レイテンシーモニタリングはオフになっています。

録音テストの様子

まずはサウンドチェックが行われました。この段階で音質やレイテンシーのチェックが実施され、良好な結果となりました。音質のチェックは道場生の藤原さん、佐伯さんに加え村石さん直々に演奏してのチェックが行われました。
機器のオペレートは村石さん自身によって行われることとなっており、福島さんより操作方法の説明などが行われました。道場ではドラム抜きのカラオケ音源などに合わせての録音が行われます。この日は、作編曲もされている佐伯さんが作曲した楽曲に合わせて録音が行われました。録音後の会話の様子をご紹介します。

録音 - 楽曲のエンディング -

村石さん
(以下敬称略)
OK! (停止操作)
福島さん
(以下敬称略)
村石君止めるの早い ! (笑)
村石さん
良くなったじゃん ! 曲の入りのタムとかいい音してたよ。いまのテイク聞いてみよう。
藤原さん
(以下敬称略)
先生が仰っていた脱力を意識して叩いたんですけど、曲が進むとだんだん意識が弱くなってしまって。録音して聞くと色々わかりますね。
福島
村石君このグリッドってあるでしょ?波形とグリッドを見ればタイミングのずれとかわかるよ。
TEAC
タイミングを修正するときもありますよね。
福島
いいテイクなんだけど、1発だけスネアがうまく打ててない時とかね。どこ叩いてんだよ ! って言いながら(笑)
藤原
先生の波形は綺麗ですね。
村石
でもね、こういうのってピッタリならいいってものでもないんだよ。すごい有名なドラマーでも、え~ ! っていうくらいずれてる事もある。クリック入れると聞けないんだよ、ヨレヨレで。でも再生するとカッコいいんだよ。やっぱり聞いてどうかっていうのが大事。これは録ってみないとわからないからね。
佐伯さん
(以下敬称略)
レッスンでもそこまでやるんですか??
村石
いや、レッスンでは編集とかはやらないよ。録ってみて、ほら、こんな感じだよ、ってやるだけ。
TEAC
レッスン以外の用途でもこのシステムをお使いになる予定はありますか?
佐伯、藤原
マイク乗り?
TEAC
実際の楽器の音と、マイクを通した音の違いみたいなものがありますね。アコースティックギターが有名です。マイク通した時の方がいい音もあるし、その逆もありますよね。
福島
ありますよね~。
村石
そうなんだよ、全然違うんだよ、マイク通すと。マイクで録らないとわからないこと、ドラムの場合はすごい多い。
藤原
さっき録音して、先生に「もっと高い方がいい」ってチューニングを指摘されたんですけど、自分で聞いた感じでは、すごいハイピッチだったんです。でも実際に録ると、ピッチ感がすごい下がるんだなと思いました。
村石
基本的にスネアは、自分で思っているよりも少し低いのかもしれないね、録音すると。
福島
そういうもんなんだね、ドラマーとしては。
TEAC
距離の関係もあるかもしれませんね。ドラマー席って至近距離ですけど、サウンドメイキングはトータルサウンドなので、落ち着いて聞こえるのかもしれません。アタック音、倍音成分の聞こえ方の違いかもしれません。
藤原
確かに。タムのチューニングで低音が欲しい時も、アタックがよく聞こえるので下げてチューニングすると、スピーカーから出る音はベタベタしすぎでちょっと違う、っていうことはありますね。
村石
そう。違うんだよ、マイクを通した音は。
藤原
レコーディング以外で録音できる環境があまりなかったんですが、今回録音してみて、本当に勉強になりました。
福島
この『US-16x08』って、この誰でも買えそうな値段で作れたのがすごいよね。
福村石島
昔からProToolsとマイクプリだけは手を出さないようにしてた、何百万の世界だからって言われて(笑)『US-16x08』はProToolsでも使えるし、両方買ってもこの値段で揃うって、時代だよね。
佐伯
最後に先生のお手本ドラムが聞きたいです !
村石
今日はもうプレーヤーの気分じゃない ! (笑) !
TEAC
今日は、トッププレーヤーならではの音楽に対するシビアなスタイルを勉強させていただくことができました。取材にご協力いただきありがとうございました。大事なことをお伺いしていなかったのですが、『US-16x08』の音はいかがですか?
村石
音いいよ、全然問題ない ! ! タムのマイクも良く録れてるよ ! でも最近発表されたUS-20x20っていうのもちょっと気になってる(苦笑)。
TEAC
音質にご満足いただけたようで大変嬉しいです。US-20x20はオーディオパーツのグレードがさらにワンランク上になっています。
村石
じゃあそっちがいいな(笑)。じゃあそっちがいいな(笑)。
TEAC
前向きに検討します(笑)。今日はありがとうございました。

デモ音源

プロフィール

村石 雅行さん

東京藝術大学音楽学部打楽器科卒業後、プログレッシブバンドKENSO(1988~2004)や葉加瀬太郎さん率いるクライズラー&カンパニー(1989~1996)に参加。1994年より松任谷由実さんのツアーメンバーとして全国ツアーに参加。1999年より椎名林檎さんの全国ツアー、レコーディングに参加、"村チン"として親しまれる。名曲『本能』で聴かせた圧倒的・工事現場的ドラミングは有名。2007年にはアンジェラ・アキさんの全国ツアーに参加。ドリカムやポルノグラフィティなど多くのイベントライブやスタジオワークをハードにこなしながら、2009年からはスキマスイッチの全国ツアーに参加、現在に至る。2011年4月、ドラム道場「村石雅行ドラム道場」を東京都内に開校。

オフィシャルサイト:http://www.muraishimasayuki.com/

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