「アナログ回路を通した録音に欠かせない選択肢 TASCAM DA-3000SD」
沖縄を拠点に活動するレコーディング・エンジニア兼プロデューサー、3rdWaveの濱里氏に、TASCAMの2チャンネルDSD/PCMマスターレコーダー『DA-3000SD』の使用感についてお話を伺いました。これまで長年のレコーディング経験を積み重ね、多彩なアプローチを試みてきた濱里氏。彼の視点から見た『DA-3000SD』の特長とその位置付けを探ります。
「そのまま形にしたい」音へのこだわり
濱里氏は「SSL 4000E」アナログコンソールを愛用しながら、マルチトラックレコーディングにDAWを使用しています。一方で、DAW内でのバウンスが想定以上にクリアな音質となることに違和感を覚えています。「アナログ回路を通して仕上げた音をそのまま形にしたい」という彼の考えに、『DA-3000SD』は最適な解決策となります。
『DA-3000SD』に見る音質の継承
過去に知人のエンジニアがDA-3000を使用しているのを見て、高コストパフォーマンスのAD/DAコンバーターとして認識していた濱里氏。『DA-3000SD』については、対応メディアがSDカードとUSBメモリのみになった点に触れつつも、音質はほぼ同じ印象だったと語っています。
高評価のAD変換
濱里氏のレコーディングプロセスは、「SSL 4000E」アナログコンソールを駆使したアナログ感のあるMixが特徴的です。DAWはマルチトラック・レコーダーとして用いられ、最終的な2chトラックダウンには『DA-3000SD』も活用。「音質に色付けがなく、優れたAD変換を実現している」と高評価を与えています。
濱里氏の哲学 – 実物重視の録音アプローチ
プラグインは活用するものの、濱里氏は「実物には敵わない」とし、アナログ機器の利用を重視しています。特にSSLコンソールとNEVE系機材を揃え、アメリカン・サウンドを作り出すAPIの機材も増やしたいと語る濱里氏の姿勢から、アナログサウンドへのこだわりが感じられます。
『DA-3000SD』をおすすめする理由
「操作感はシンプルで、他のTASCAM製品を使ったことがある人なら直感的に扱える」と語る濱里氏は、マスタリングスタジオやDTMユーザーにこそ、『DA-3000SD』を薦めたいと述べています。特に、アナログ回路を通した録音がもたらす質感を求めるエンジニアにとっては、欠かせない選択肢となるでしょう。
濱里氏の豊富な経験をもとに、『DA-3000SD』が2chマスターレコーダーとしてどのような価値を提供できるのかを知ることができました。DAWとアナログ機器の組み合わせにおいて、『DA-3000SD』は信頼できるパートナーとして活躍しています。
濱里 稔
有限会社 サードウェイブ
代表取締役 プロデューサー エンジニア
1995年サードウェイブ設立、2005年サードガレージスタジオをオープン、インディーズレーベルではこれまでに70タイトル以上のCDをリリース。レコーディング・エンジニアとしても数多くの作品に携わり、県内のCM音楽も多数手掛ける。音楽プロデューサー エンジニア。
あのMONGOL800を発掘し、その後ファースト・セカンド・アルバムのプロデュース&エンジニアを努め、伝説となるトリプルミリオンを記録した沖縄の音楽シーンを長年支え続けている。
プロデュースの他にもレコーディング・エンジニアやライブ収録など、県内音楽イベントや名だたるアーティストへのPAオペレートなど長年携わっている沖縄ミュージックシーンの影の立役者である。