ギタリストとして有名な矢堀孝一さんには、Celesonic US-20x20をご活用いただいています。その使い方などをお伺いするため、矢堀さんが運営されている「ライブが見れて、パターが見れて買える居酒屋」Virtuoso AKASAKA(ヴァーチュオーゾ赤坂)にお邪魔して、どのようにお使いになっているのか、インタビューをさせて頂きました。
ティアック:まずCelesonic US-20x20はどのような用途でお使いでしょうか?
矢堀:自宅でmac miniと接続してオーディオインターフェースとして使ってます。DAWはDigital Performerで、あとは音源モジュールをいくつか持ってるので、それが全部繋ぎっぱなし。
ティアック:ずっとDigital Performerをお使いなんでしょうか?
矢堀:もうずっと使ってるね。漢字TALKの頃から(笑)。まだPerformerの頃からだね。システム全体は高価なのにデジタルで2chしか録れない!とか、そういう頃から使ってるかな。
ティアック:まだ音源モジュールをたくさんお使いなんですか?
矢堀:けっこう古いのだけどね。SC-88Proとか。
ティアック:SC-88は懐かしいですね。
矢堀:まだ使ってるよ(笑)。自宅ではプリプロが多いからね。ちゃんとしたオーケストレーションを作る訳ではないし。この音でわかるでしょ!みたいな。他にはPhantomと、8Mっていうオルガンのモジュールもある。ちょっと新しいのだとSonic Cellとか。
ティアック:それらの音源が全部繋ぎっぱなしなんですね。
矢堀:繋ぎっぱなしにしておきたいんですよ。都度接続を変えるとミスが出るし、ケーブルも悪くなるし。色々弊害があるから。
ティアック:ご自宅ではプリプロ以外の制作もされるのでしょうか?
矢堀:最近だとキーボードのソロは、本番用のテイクをレコーディングしたかな。大髙さんのHammond B-3をレコーディングしました。
ティアック:制作とスタジオワーク、ステージと、どういった仕事が多いのでしょうか?
矢堀:なんでもやってるけど、昔は制作が多かったね。システムごと持ち出してレコーディングとか結構やってたよ。孝三さん(菅沼孝三さん:ドラマー)のところでドラム録ったり。
ティアック:ずっとDAWをお使いなんでしょうか?MTRはお使いになりましたか?
矢堀:4チャンネルのカセットテープのMTR使ってたよ。本当はTASCAMのオープンリールが欲しかったんだけど、高くて(笑)。カセットから始まって、PCIバスのオーディオインターフェースを使って、Firewireになって。でも今はもうFirewireも少なくなってきてるじゃん?そういう意味では次はUSB3.0だよね。
ティアック:Celesonic US-20x20を使用されて、レコーディングでの音質やレイテンシーに関してはいかがでしたか?
矢堀:全く問題ないというか、前のオーディオインターフェースより音がいいんじゃないかなと思ってて。S/Nとかも前よりいいんじゃないかなと思う。レイテンシーって、プラグインでエフェクトをかけて戻して、その遅れっていうことだよね?僕はね、それやらないんですよ。インプットモニターを聞くようにしてるので、レイテンシーは全然気にならない。昔からこの方法で、PCから回ってきた音は絶対モニターしない。昔の経験があるからかな。昔は遅すぎて話にならなかったから(笑)。
ティアック:ショートディレイのエフェクトかけてるくらい遅かったですからね。
矢堀:そうそう(笑)。従って、エフェクトはかけ録りはあまりしないです。インプット側にミキサーを用意できる時はミキサーでモニター用に空間系エフェクトをかけることがあるけどね。
ティアック:Celesonic US-20x20はリバーブも内蔵してますので、モニター用にリバーブがかけられます。
矢堀:そうなんだよね。そういう意味では1台でそこまでできてすごいよね。
ティアック:出音はいかがでしょうか?入力側だけでなく、出力側のオーディオ回路もシリーズで一番いいグレードの回路なので、出音の印象もお伺いしたいです。
矢堀:そうなんだ!普通に音がいいので何も気にせず仕事に使ってました(笑)。
ティアック:ADAT端子はお使いになりますか?
矢堀:ADAT使ってますよ!ADATは便利ですよ。自宅の他にアトリエがあって、そこにO1V96(デジタルミキサー)があるんだけど、それにADAT端子があるからそこにつないだり。アトリエではADAT入出力だけのオーディオインターフェースがあればそれでいいやって思っているくらい。
ティアック:ADAT入出力をお使いということで良かったです。ADAT端子をつけることには色々な意見があったのですが、「ミュージシャンの自宅環境では古い機材も多いのでまだ現役だ!」と考え、搭載しました。
矢堀:ADAT端子は制作現場では需要あると思うよ。
ティアック:Celesonic US-20x20はモード切替ができるのですが、オーディオインターフェース以外のモードはお使いでしょうか?
矢堀:一通り使ってみました。昔のAlesisの8chラックミキサーがあって、そのミキサー用のマイクプリとして使ったよ。今のところミキサーモードで使う予定はないけど。あとは、ここ(店舗)にも使えないかなと考えてました。今はKLARKのスプリッターを入れて録音用とPA用の回線に分けてるんだけど、KLARKと同じことができれば置き換えられるなと。
ティアック:高価ですよね、あのスプリッター。
矢堀:結構な値段でした。(笑)しかも2Uで、16ch分だから4U。Celesonic US-20x20にしたら2Uになるなと思って。ADATとアナログをパラって(分岐して)出せるならCelesonic US-20x20でもいいんだよね。
ティアック:それは可能です。また、ラックマウントも可能です。本音を言うとサイドパネルを外してほしくないのですが。アルミダイキャストでしっかり作っていますし、サイドパネルでネジを隠しています。
矢堀:自宅のCelesonic US-20x20はサイドパネルを取ってラックに入れました。色々苦労されているんですね。(苦笑)でも色々使えるし、さすが上位機種だよね。
ティアック:あとはヘッドホンアウトが2系統あるのも特長の一つですが、お使いになりましたか?
矢堀:使ったよ、便利だよね。2系統あるとカミさんと一緒に聞ける(笑)。
ティアック:納得の使い方ですね(笑)。
ティアック:こちらのお店は、どういったコンセプトのお店なんでしょうか?
矢堀:うちは基本的にライブが観られる居酒屋っていうスタンスです、1ステージ1,500円で。割と料理はちゃんとやっていて、ステーキとカレーは人気です(笑)。かなり有名なギタリストがいきなり来てギター弾いたりするような店です。海外のミュージシャンも結構来ますよ。
ティアック:矢堀さんもご出演されるんでしょうか?
矢堀:木金のライブの時は結構いますよ。他の日も応援に来たりするし、料理の応援も(笑)。
ティアック:ということは矢堀さんのステージが 1セットなら1,500 円で見られるっていう事ですね!それはすごい!
矢堀:お通し代500円は別途いただきますけど(笑)。さて、そろそろ仕込みをしないと。今日は、オムライス用のチキンライスを20人前作らないといけないんで。
ティアック:え!矢堀さんが作るんですか!(笑)
矢堀:そう(笑)。作ったムービーでも流しておくので、ゆっくりしていってください。
プロフィール
矢堀孝一
92年にFRAGILE結成。数々のライブ活動の後'96年1stアルバム「FRAGILE」をコンポジラsubconscious label よりリリース。2012年発売の「Unconscious behavior」まで、1枚のDVDを含む12枚のアルバムをリリース。最新作「You were there」に至る5枚のソロ・アルバムを発表、Fazjaz.jpでの4枚のCDと1枚のDVD、TV-JAZZのプロデュース。サイドメンとして向谷実 'Charge and backs'、KIYO*SENでも活躍中。2015年、赤坂に「ジャズギターの聖地」を目指し Virtuoso AKASAKAを開店。クリエイティブな新しいコンテンツの発信、若手ジャズミュージシャンのサポートにも力を注いでいる。
公式ホームページ
http://www.uprize.jp/yabori/
Virtuoso AKASAKA
ヴァーチュオーゾ赤坂
〒107-0052 東京都港区赤坂2-13-14 福富ビルB1F
https://www.virtuosoakasaka.com/