KOSSの歩み
創業者であるジョン・コスがウィスコンシン州、ミルウォーキー市で病院へのテレビのレンタル業を営むため1953年にKOSS社を創設。 ジャズ愛好家でハイファイオーディオにも興味を持っていたことから、1958年に同社のエンジニアであったマーティン・ラング・Jr.と手を組み、世界初のステレオヘッドホン「SP/3」を発表。当時のヘッドホンは主にアメリカ海軍や電話交換手、ラジオ用にのみ使われていたことから、「個人で音楽を楽しむため」に開発されたヘッドホンの登場は音響業界に大きなインパクトを与えた。
ジョン・コスとマーティン・ラング・Jr.が最初に開発した製品は、両サイドにスピーカーが取り付けられた手持ちができる蓄音機だった。
このデバイスは、「プライベートスイッチ」というユニークな機能が売りで、ユーザーは両耳に充てられた小型のスピーカー、つまりヘッドホンを通して個別にリスニングを楽しむことができた。
あくまでもアクセサリーとして蓄音機の高品位なステレオサウンドを引き立たせるために開発したステレオヘッドホンを、ウィスコンシン州のオーディオショーに出展したところ見事に脚光を浴び、世界初のステレオヘッドホン「SP/3」としての名が知れ渡るようになった。
1960年代に入り、数々のプロフェッショナル用スタジオヘッドホンを発表。
著名なアメリカのポピュラー音楽歌手のトニー・ベネットやジャズ歌手のメル・トーメなど多くのアーティストからの愛顧を受ける。
また、1969年には大統領専用飛行機に搭載されていたエンタテイメントシステムのヘッドホンとして、「PRO/4」が機内全席に採用された。
1970から1980年代にかけて、オープンリールやレコードよりコンパクトで耐久性のあるカセットテープがオーディオの主流になりつつある中、外出先でも手軽に音楽を楽しめるよう、コンパクトなポータブルプレイヤーが普及。
KOSSは、1984年に現在でも製造・販売が行われている「Porta Pro」を発売(日本では1988年から販売)。軽量でコンパクトに折りたたむことができる優れた機構設計に、しっかりした低音の再生がポータブルプレイヤーとの相性の良さにマッチしてして世界的に大ヒットした。
1991年に創業者のジョンは経営を息子のマイケルに譲る。
その後、時代は小型イヤホンへと移行し、遮音性に優れるカナル型イヤホンの先駆者である「The Plug」を発売。
2010年以降、ハンズフリーの利便性を図り、マイク付リモコンを搭載した「Porta Pro KTC」を発売。
また、デジタル音楽やワイヤレス化の流行に伴い、2018年にはPorta Proファン待望のBluetooth®接続に対応した「Porta Pro Wireless」を発売。
3世代続いているKOSS社は現在でも時代のニーズや流行に合わせた商品開発に携わっている。
正規輸入製品のお求めはティアックストアへ