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店舗イベント、学園祭、野外のお祭り等で活躍するラインアレイ。 dBTecnologies VIO L208 / VIO S118R 4/2対向システム【株式会社スタジオパックス様】導入事例

スタジオパックス様 設置例
 

東京都や千葉県、埼玉県に拠点を持つ音楽スタジオ/PA会社の『スタジオパックス』様にdBTechnologiesの『VIO L208』、『VIO S118R』を中心とした4/2対向システムをご導入いただきました。

今回の導入にあたり、代表取締役の進藤さん、レンタル事業部 技術責任者の桒原さんに導入の経緯や運用についてお伺いしました。

 

導入された製品:
スピーカー
2-Wayアクティブ ラインアレイモジュール: 『dBTecnologies VIO L208』 x 8台
アクティブ バスレフレックス サブウーハー: 『dBTecnologies VIO S118R』 x 4台
アクセサリー類
スタックアダプター: 『DSA-VIOL208』 x 2台
RDNetコントロールインターフェース: 『RDNET CONTROL 2』x 1台
(スピーカーシステムマネージメントソフトウェア dBTechnologies AURORA NET 制御用)

 

株式会社スタジオパックスについて

会社を立ち上げられた経緯について教えてください。

進藤さん写真進藤さん

進藤さん(以下敬称略) : 15年前に南浦和でリハーサルスタジオを開業したことが、会社設立のきっかけです。
その前は電機メーカーのサラリーマンをしていました。ただ、起業に対する野心はずっとあって、実は20代半ばに秋葉原で学習塾を創業しています。

学習塾ですか?想像つかないですね。(笑)

進藤 : はい(笑)。元々音楽業界の人間とよく思われますが、実は違います。
ただ、学習塾の方はうまくいかなくて…。そんなある日ふと秋葉原の楽器屋さんに入ったらギターに目がとまりました。
その瞬間に学生時代から音楽が好きだったことを強烈に思い出して、「あ、俺 音楽の仕事をしたい!」と思ったわけです。(笑)
そこからリハーサルスタジオでアルバイトを始めて、2006年にサウンドスタジオパックス 南浦和を立ち上げました。

音楽業界の入り口に立ったのは意外と遅い方なのですね。

進藤 : 普通は元々ライブハウスでPAやっていたとか、そういう自然な流れで開業する場合が多いと思いますが、私の場合は自ら流れを起こしに行った形ですね。

現在のスタジオパックスの事業について教えてください。

進藤 : リハーサルスタジオを4店舗、レコーディングスタジオを1店舗、それとPA&レンタル事業部、映像事業部、施工事業部が主な事業です。 船橋店、新松戸店には、ダンススタジオも併設されています。

PA&レンタル事業部のお仕事内容について教えてください。

桒原さん写真桒原さん

桒原さん(以下敬称略) : 現在はコロナ禍という事もあり、イレギュラーな業務が多いので、コロナ禍以前のお話をしますね。

1番多いのはショッピングモールのインストアイベントです。月5本程度の現場があり、年間だと60件~80件くらいです。

次に多いのは秋口の文化祭の現場です。弊社はリハーサルスタジオをやっているという事もあって学生のお客さんからのオファーが多く、例年依頼をいただいているのは高校が約10校、大学が約5校程度です。
結婚式場の出張PAも月1本ペースでやっています。

あと大きい所だと、近年船橋市の音楽イベントで一部PAを毎年やらせて貰っています。市内に20ステージを作り、同時多発的にライブを行うかなり大きなイベントです。
昨年はコロナの影響で3会場の配信イベントとなりましたが、その際は配信・音響含め全てのオペレーションを弊社で行いました。
大型イベントだと、佐倉市で20~30バンドが出演する大型の野外インディーズバンドフェスのPAもしています。

あとは不定期ですが、アーティスト専属PAもしています。

野外イベント野外イベントにてご使用いただいています
 

ライブPAにおいて特に多く扱う音楽ジャンルはありますか?

桒原 : 本数でいうと、クラシックコンサートですね。ショッピングモールの現場はほぼクラシックなので。
たまにスペシャルイベントもあって、ショッピングモール内のホールや、映画館を回るツアーがあります。映画館はかなりデッドな反響特性で作られているので、音量を稼ぐためにも今後dBTechnologiesは大活躍してくれるはずです。その他の現場は大半がロックですね。

今回導入いただいたシステムは、そういった案件での使用を想定されていた訳ですね。

桒原 : はい。多ジャンルを扱うのでdBTechnologiesのフラットで使いやすい音は弊社の運用にベストマッチしました。

ライブPAのお仕事でポイントとしていることはありますか?

桒原 : そのアーティストの一員になったつもりで仕事をするという事ですかね。僕は10年前までライブハウスでPAをしていまして、これはその時に学びました。
ライブハウスって、色んなバンドが来るじゃないですか。どんなジャンルのバンドが来ても同じ熱量を持ってその音楽と向き合う事が、良い音を作る上で重要なわけですが、やっぱり人間だからバンドの音楽性に対して好みが出てくる。(笑)
でも、ライブハウスのPAとしてそれは良くないこと。どんな音楽でも最高の音を出さなくてはいけません。

どうすれば全てのバンドに対して100%のパフォーマンスで返せるかを考えた結果、バンドメンバーの一員のつもりでPAをやることに行き着きました。一皮むけたわけです(笑)
PAって裏方ではあるけど、お客さんに聞かせる音を作るっていう重要なポジションを任された、一メンバーのはずですよね。
そのことに気づいてからは慣れ親しんでこなかったジャンルも好きになってどんなバンドでも楽しめるようになりましたし、自分がオペレーションをしたバンドのファンになる事が増えました。
最近だとアイドルイベントのPAもやっていますが、その時はアイドルの一員になったつもりでPAしています(笑)。

 

dBTechnologiesについて

dBTechnologiesについて

ラインアレイスピーカーの導入を考えられたのはいつからですか?また、その理由は何ですか?

桒原 : 思い立ったのは5年ほど前です。先ほど例にも挙げたように、大きめのイベントを手掛けるようになってきて、その度に仲の良いPA屋さんからメインスピーカーをレンタルしていました。
レンタルする件数も本格的に増えてきたので、これはいよいよ自前で用意した方がランニングコスト的にも有益だということになりました。
そこから各メーカーの見積を取り始めたのが3年前。コロナが無ければ昨年頭には何かしらラインアレイを買う予定でした。

今回、数あるスピーカーメーカーの中からdBTechnologiesをお選びいただいた訳ですが、機材選定で重視されたことはありましたか?

桒原 : ラインアレイでありながら、コンパクトな運用性を備えていること。
組み合わせ次第で大小さまざまなイベントにも対応できること。
この2点が主軸でした。

具体的に言うと、
他社からスタッフを派遣してもらってオペレーションをする際に、「女性でも各ユニットを一人で持てるくらい軽い」、
「学校など電源供給が弱い現場でも使える省電力性と、100Vの平行電源で安定した運用がメーカーで保証されている」、
「ポールマウントによる2/1対向か3/1対向運用が可能で、大きいフェスだけでなく小さな会場でも使いやすい」、
「より大規模なイベントでPAを行う際に、持っているシステムを生かしつつ、上位モデルを買い足すことでさらに大きなシステム構成を作り出せる」、
といった点を重視しました。

今回導入したシステムはそのニーズを網羅してくれましたね。
その上コストパフォーマンスが高く、音のバランスが良く、日本の音響機器メーカーのティアックが代理店をしているという安心感もあったことから、最終的に導入に至りました。

dBTechnologies VIOシリーズは、パワードスピーカーですが、その点はいかがでしたか?

桒原 : パワード、パッシブそれぞれに良い所はあると思うので、そこにこだわるというよりは先ほど言ったような点にこだわりを持っていて、結果的にニーズに合ったスピーカーがパワードだったという感じですね。

『VIO L208』の背面『VIO L208』の背面

パッシブでアンプが使いまわしが出来るものであれば、運用の幅が広がるでしょうし、パワードだと1つのユニットに対してチューニングが施されているアンプが1つずつ装備されているので安心感がありますよね。
それぞれに良さがあると思いますが、仮設の現場がメインな弊社としては、アンプを別途用意する必要が無く、セッティングが楽なパワードスピーカーにはメリットを感じています。

制御用アプリ『dBTechnologies AURORA NET』の使用感を教えてください。

桒原 : AURORANETは、ぱっと見て直感的に操作が出来るのでとても使いやすいです。ほかのスタッフにも触らせましたがすぐ理解していましたよ。
ユニット1つ1つがアンプを背負っているおかげで、1ユニットごとに細かい調整が行えるので、相当自由度が高いです。

AURORANET01『dBTechnologies AURORA NET』
画面
AURORANET02
 

実際に音を出した印象はいかがでしたか?

桒原 : 2/1対向システムでデモをした時の印象は、スッキリした音だけどそれでいてちゃんと存在感のある音だなと感じました。
僕はボックススピーカーの中域のポコッとした感じが好きでして、フラットの状態だとそのニュアンスが出ていました。その上、AURORA NETでEQを少し弄ったらかなり音の印象が変わったので、これは何でも使えるぞと思いましたね。

導入後に4/2対向で組んで、普段音を聞きなれているスタジオで鳴らした際は、ラインアレイに求める「音圧はすごいけどディテイルがしっかりつかめる音」が出ていました。がっつり突っ込めばライブハウスっぽい音も鳴らせます。

総じていえば、オールラウンドプレーヤーです。最近のスピーカーは良くも悪くも内部のプリセットで音が作りこまれている印象ですが、dBTechnologiesは非常にニュートラルでフラットな状態の音を出してくれます。それでいて追い込んだEQ処理をする事が出来るので、うちのように多ジャンルを扱うPA屋にはとても使いやすいスピーカーです。

スピーカー設置例01
スピーカー設置例02
 

重さ、設置方法など、運用のしやすさについてはいかがですか?

VIO L208『VIO L208』

桒原 : 重さに関してハイボックスは十分軽く、一人での持ち運びも余裕です。

 
VIO S118R『VIO S118R』

サブは流石にちょっと重いです。この間一人で車に積み込みましたが、二人は欲しいですね。

 

組み立てに関しては文句なしで使いやすいです。

金具収納

実は購入前から、スピーカー本体から金具が出っぱっていないものが良いなと考えていました。車に積んだり、仮置きした時に、ピンが引っかかって曲がってしまうのが嫌だったので。 dBTechnologiesのラインアレイは運ぶときに金具を内側に収納が可能で、安全な運用ができて安心感があります。

 
DSA-VIOL208DSA-VIOL208

あと、ポールマウントの時と、グランドスタックの時のアダプターが共通なので現場によって使い分ける必要が無いのは最高ですね。保管場所も省スペースで済むし、機材車への積み間違いも防げます。

 
VIOシリーズリギングポイント

リギングポイントが3点なのも良いですね。今回、DVAシリーズでは無くVIOシリーズを選んだ理由はそこにもあります。

 

それでは最後に、このシステムをどのように展開するか、今後の抱負をお聞かせください。

進藤 : 今までは、ミドルクラスのイベントまでが私達の仕事でしたが、これからは大型フェス、文化祭など含め、仕事のサイズを大きくしていきたいと考えています。

桒原 : まずは、イベントの規模を問わず既存システムと入れ替えることで、「ちょっといい音」をより多くの人に体験してもらえればと思います。
そして、“軽さ“の効用で腰痛が改善することを期待しています。

ありがとうございました。

 

プロフィール

進藤隆太(しんどうりゅうた)

株式会社スタジオパックス 代表取締役 社長
旅客機のパイロットになるという夢は叶わず、大卒後は大手メーカーに就職。
27歳、第2の夢を追いかけ、大好きな「音楽」の関連で起業。
今は、『若いアーティストの夢』を応援する事が仕事です。

桒原篤(くわはらあつし)

大学卒業後にレコーディングエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、友人に誘われ都内ライブハウスオペレーターへ転身。
現在はライブサウンドエンジニア、兼レコーディングエンジニアとして(株)スタジオパックスに所属。
エンジニア業のほか、楽器修理・電気工事・防音施工プランナーなども担うナンデモ屋。

スタジオパックス:
https://www.studio-packs.jp/index

 


※ライブハウス、コンサートホール、設備音響などスピーカーシステムの導入にあたって無料相談やテスト機の貸出など各種ご相談を承っております。
お近くの代理店、または以下のフォームよりお問い合わせください。
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