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レコーディングエンジニア小林裕人さん DA-3000インタビュー


ティアック:DA-3000を使用してみての感想をお聞かせください。

小林:とてもクリーンで、きちっとコンプ感とかEQ感とか反映される音だと思います。
ティアック:DA-3000をどのような用途で使用されていますか?
小林:マスタリングをする場合に今のフォーマットでは最終的に16bit変換することが絶対必要なので、DAWで24bitで録音されたものをオーディオインターフェースからアナログで出力して、DA-3000で44.1kHz/16bitのCDのクオリティーで録音しています。
ティアック:それは今、流通される音源が44.1kHz/16bitが多いので、このフォーマットで録るということですか?
小林:そうです。もちろん最近はハイレゾもありますが、CD用にDAW内のビット変換だとやはりクオリティーが落ちてしまいます。電気的にコンピューター上で処理して16bitに変換するよりも、DA-3000で録音した方が明らかに音が良いというい理由で、オーディオインターフェースからでアナログで出力するというのが一番良いかと今の段階では思っています。


ティアック:パソコンで録った24bitの音源も、DA-3000で44.1kHz/16bitのCDクオリティーで録音しているということですが、CDクオリティーで録音してみて音質面はいかがですか?
小林:ミックスされたマスターが24bitなので、ハイレゾ製品でない限りそこのクオリティーに行くには技術的に不可能なことなんですけど、現存する44.1kHz/16bitというCDのクオリティーにするにはDA-3000で録音した方が明らかに音は良いです。


ティアック:次に、CG-1000は使ってみていかがでしたか?
小林:外部のCG-1000から出力される安定したクロックを供給することで音像がしっかりしています。機材のアップグレードには有効ですね。
ティアック:今、クロックはどこに供給されてますか?
小林:個人的には自分で別のクロックも持ってたりするんですけど、オーディオインターフェースとDA-3000にはCG-1000からクロックを供給しています。トラックの録音時には48kHzや96kHzを使用し、最終的にマスタリングする場合は44.1kHzで供給して、しっかり安定させています。クロックの有り無しでは、奥行きや広がり感が違いますし、特に高域のざらつき感がなくなるので、クオリティーにかなり差が出ると思います。

プロフィール
小林裕人 Hiroto Kobayashi a.k.a LAKOBA
Recording & Mixing Engineer, Producer, Copmposer
東京生まれ。

'79年にアメリカに渡り、コミュニーティ・カレッジで音楽の基礎を学ぶ。卒業後、ノース・ハリウッドにあるエンジニアリング・スクールでサウンド・エンジニアリングを学ぶ。
ライブ(PA)エンジニアとして、ウイリアスブラザース、エルチカノなどのライブを担当し、またロスアンジェルスにあるジャズクラブにて、ハウスエンジニアとして、ボビーハッチャーソン、ポールバターフィールド、ロビンフォード、オスカーピーターソン、タニアマリア、エンデュグチャンスラー、ポンチョサンチェスなど、著名なミュージシャン達のライブに携わる。
小規模のクラブから1万2千人の屋外ライブまで、様々な会場で経験を積み、加藤登紀子のカーネギーホール公演なども手がける。
レコーディング/ミキシングエンジニアとしても、活動を広げ、著名なミュージシャン達とのレコーディング・セッションに関わる。2000年以降は、W-inds、加藤登紀子、松田聖子、鬼束チヒロ等、日本人アーティストの数々のヒット作品を手がけている。また、Earth,Wind&Fireなどにも作家として楽曲提供している。心に残る音楽を、最高の音で提供できるようにと、所有しているビンテージから最新の製品に至るまで様々な機材を使用し、ナチュラルなサウンドからエフェクトを使った作品まで、ダンス、エレクトロ、ロック、R&B、Hip-Hop,Jazzなど、音楽に合わせた作品を作り続けている。

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